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2023-11-22

石川県高等学校PTA連合会第40回研究大会並びに指導者研修会が開催されました

石川県高等学校PTA連合会第40回研究大会並びに指導者研修会が開催されました

 

石川県高P連第40回研究大会・指導者研修会が令和5年11月8日(水)、県文教会館ホールにて開催されました。ご参加いただきました158名の各校保護者及び教職員の皆様、有難うございました。

開会式では、まず稲垣揚平県高P連会長より挨拶として、コロナ感染症が5類相当となり、子どもたちの笑顔が見えるようになったこと、他県の活動を見ても、活動の内容や意義を丁寧に保護者及び教職員に伝えることが重要であること、子どもだけでなく、保護者や教職員の「wellbeing」(幸福)にも県高P連として取り組んでいくこと等が示されました。また、ご来賓の北野喜樹県教育委員会教育長様からは、グローバル化や技術革新等で社会が変化し、正解のない問いが多数存在する、かつコロナ禍での混迷を経た社会においては生徒一人ひとりが逞しく生きる力を身に付ける必要があり、自ら学び、課題解決に向かう生徒を育てる必要があること、そのために学校と保護者、地域が連携協力する必要があること等のご指導、ご挨拶をいただきました。県教委では今、ふるさと教育推進に力を注いでおり、ふるさとと学校を繋ぐ架け橋としてもPTAに期待するとのお言葉もいただきました。

表彰式では、優良PTA石川県教育委員会表彰として、小松市立高等学校、県立金沢商業高等学校、県立宝達高等学校の各PTAに北野教育長様より表彰状が手渡されました。また、本年度の県高P連活動振興功労者表彰は38名の方が受賞され、代表として、県立大聖寺実業高等学校中村隆幸氏、県立金沢辰巳丘高等学校吉田亜弥氏、県立七尾東雲高等学校坂下和博氏に稲垣会長から表彰状をお渡ししました。

続いて記念講演として、金沢市・能美市特別支援教育アドバイザーの佐伯英明氏が「ヒトと明るく楽しく接する方法 ~ABAに基づく発達障害の理解~」と題して講師を務められました。概要は以下のとおりです。

私たちの文化には「叱られる」という意識が根底にあり、「チコちゃんに叱られる」というフレーズはあっても、「チコちゃんに褒められる」というフレーズはない。阪神・淡路大震災の後、消防庁が避難の時の約束として広めた標語も「おはし(おさない、はしらない、しゃべらない)」で、学校でよく呼びかけられる「廊下を走らない」等も含め、怒られないための行動規範、すなわち「○○して(廊下を走って)いる子」を見つけて叱責する対応に繋がる。褒める行為にはつながらない。ABA(=Applied Behavior Analysis)は応用行動分析と呼ばれ、行動を「個人(子ども本人)と環境との相互作用」と捉える。特徴は行動の原因を個人の内面に求めない、という点である。子どもの行動は必ず外からの刺激が基になっている。反応がより強く、頻度高く起こるようになる刺激を強化刺激と言い、もともと強化力のあるもの(食べ物、水等)は一次性、学習によって強化力が生じたもの(褒め言葉やシール等)は二次性に分類される。生徒の学校生活や家庭生活の改善・質向上に効果が大きいのは当然プラス(快)の強化刺激であり、連続の強化刺激よりも、褒められたり褒められなかったりという断続的な強化刺激の方がなかなか反応(効果)は消えない。発達障害は分類概念であり、医師に薬を処方してもらって効果があるケースは6割程度である。受診の後どうするかが大切である。発達障害の子どもの突発的な行動も環境との相互作用によって引き起こされており、目標を大人が設定した3つ程度からできそうなものを本人が選択し、実際にできたら褒めるとよい。授業中静かに、は無理でも最後の3分は静かに、ならできる。避難訓練に参加できなくても、生徒の近くまで行くことはできるかもしれない。できたら「なぜできなかったの?」ではなく、「なぜ、どうしてできたの?」と聴いてあげて欲しい。「1 褒める!(ヒトの良いところを見る)」「2 行動を変えよう!(やる気のせい、心の問題にしない)」「3 褒め上手になる(自分の行動を変える)」に気を付けて、生徒も保護者も教職員も、ヒトと明るく楽しく接して笑顔の毎日を送って欲しい。

研究発表は3校PTAが順に発表し、県教育委員会事務局生涯学習課長岩木智子様より指導助言をいただきました。小松商業高校PTAには、「親子の会話を多くするという方向性で活動し、保護者の意識改革を図るという視点が素晴らしい。学校教育の基盤ともなる家庭生活の充実を図る取組に今後も期待する。」、金沢伏見高校PTAには、「保護者のPTA活動への積極的な参加のため、保護者、子ども、教職員が笑顔になる取組を進めるという視点が素晴らしい。対面でのコミュニケーションを充実させようとする取組に今後も期待する。」、能登高校PTAには、「広域から生徒が集まる学校の特色を意識しながら、生徒に能登町への愛着を育もうとするPTAの視点が素晴らしい。能登町に根付き、振興に寄与する生徒の育成にかかわろうとする活動に今後も期待する。」との講評をいただきました。最後に、PTA活動を単にコロナ禍前に戻すのではなく、できる人ができることをできる時に行い、また、学校と保護者が学び合い、高め合える活動や組織作りをお願いしたい、とご助言をいただきました。

報告事項として、事務局より北信越研究大会新潟大会及び全国大会宮城大会の報告を、尾崎敦子生活指導委員長より生活指導・家庭教育委員会の報告をさせていただきました。

最後に閉会式では、七海友也県高P連副会長より、全国大会での仙台育英学園高校硬式野球部監督須江航氏及び今回の佐伯英明氏の講演に共通しているのが生徒に具体的な目標を立てさせ、肯定的な言葉で伝え、評価することの大切さであり、今後も県高P連としてできることに取り組んでいくことで高校生に生きる力を育みたいとの挨拶がありました。

参加された皆さん、学んだ内容を各校に持ち帰り、生徒の人間力育成に活かしていただくようお願いいたします。

稲垣会長開会挨拶 北野教育長様挨拶
県優良PTA県教育委員会表彰 県高P連活動振興功労者表彰
佐伯英明氏講演 研究発表講評
七海副会長閉会挨拶

 

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